老人ホームを探していると、「軽費老人ホーム」「A型」「B型」「ケアハウス」という似た言葉が出てきます。同じ施設なのか、別の施設なのか分かりにくいですよね。
結論からいうと、軽費老人ホームは制度全体の名称で、A型・B型・ケアハウスはその中の種類です。現在は新しく整備される施設が原則としてケアハウスへ一本化されており、A型・B型は以前から運営されている施設が経過措置として残っています。
この記事では、それぞれの違い、対象者、費用、介護が必要になった場合の考え方を、老人ホーム紹介の現場に携わるクラッシュがわかりやすく解説します。
軽費老人ホームとは?
軽費老人ホームは、家庭環境や住宅事情などにより自宅で暮らすことが難しい高齢者が、比較的低額な料金で生活支援を受けながら暮らすための福祉施設です。
主に社会福祉法人や地方自治体などが運営し、食事、生活相談、緊急時対応などを提供します。施設によって入居条件やサービス内容が異なるため、「軽費老人ホームなら全部同じ」と考えず、個別に確認することが大切です。
A型・B型・ケアハウスの違い
| 種類 | 食事 | 主な特徴 | 現在の扱い |
|---|---|---|---|
| A型 | 施設が提供 | 生活支援を受けながら共同生活 | 経過措置 |
| B型 | 原則自炊 | より自立した生活が前提 | 経過措置 |
| ケアハウス | 施設が提供 | 個室中心で生活支援を受ける | 現在の中心 |
2008年の基準整備では、A型・B型・ケアハウスをケアハウスへ一元化していく方針が示され、既存のA型・B型には経過措置が設けられました。A型・B型を希望しても、地域によっては施設自体がないことがあります。
なお、軽費老人ホームには、都市型軽費老人ホームという定員20人以下の類型もあります。この記事では主にA型・B型・ケアハウスを比較していますが、「軽費老人ホームはこの3種類だけ」「現在の新設はすべてケアハウス」とは捉えず、自治体の施設一覧で実際の類型と利用条件を確認してください。参考:厚生労働省「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」。
軽費老人ホームA型とは?
A型は、身の回りのことは基本的に自分でできるものの、家庭環境や住宅事情などにより自宅生活に不安がある方を対象とした施設です。施設から食事が提供される点が大きな特徴です。
- 食事の提供がある
- 生活相談や緊急時対応を受けられる
- 基本的には自立した生活ができる方向け
- 新設されず、既存施設のみが残っている
軽費老人ホームB型とは?
B型は、A型よりも自立度が高く、自炊できることが基本となる施設です。居室に簡単な調理設備が設けられ、自分の生活リズムで暮らしやすい一方、食事の準備が難しくなると生活の継続が難しくなる場合があります。
- 食事提供は原則なく、自炊する
- 生活相談や緊急時対応を受けられる
- A型以上に自立した生活能力が必要
- A型と同様に経過措置の施設
ケアハウスとは?
ケアハウスは、高齢や身体機能の低下などにより一人暮らしに不安があり、家族からの援助を受けることが難しい方が、食事や生活相談などを受けながら暮らす施設です。原則60歳以上が対象ですが、夫婦の場合はどちらか一方が60歳以上なら相談できることがあります。
ケアハウスには、外部の訪問介護やデイサービスなどを個別に利用する一般型と、特定施設入居者生活介護の指定を受け、施設の職員から介護を受ける介護型があります。
一般型は住宅型有料老人ホームに近い「アラカルト型」、介護型は介護付き有料老人ホームに近い「コース料理型」と考えると、サービスの組み立て方をイメージしやすいでしょう。
詳しくは、ケアハウスの詳しい解説記事も参考にしてください。
費用が比較的安い理由
軽費老人ホームでは、サービス提供にかかる事務費の一部について、本人の所得に応じた負担軽減が行われます。そのため、民間の有料老人ホームより費用を抑えられる場合があります。
ただし、月額費用は全国一律ではありません。生活費、居住費・管理費、光熱水費、冬期加算、介護保険サービスの自己負担、医療費、日用品代などが別にかかることがあります。収入だけでなく、資産、地域、施設の建設費や設備などによっても異なるため、必ず見積書で総額を確認しましょう。
介護が必要になっても住み続けられる?
ここは施設選びで特に重要です。A型・B型や一般型ケアハウスでは、訪問介護やデイサービスなどを利用できる場合がありますが、介護度が重くなったときに住み続けられるかは施設の方針や設備によって異なります。
介護型ケアハウスであれば、施設の介護体制の中で生活を続けやすくなります。ただし、医療処置の内容や認知症の症状、夜間の介助量などによっては対応できない場合もあります。
入居前に確認したい7つのポイント
- A型・B型・一般型・介護型のどれに当たるか
- 食事の提供と自炊設備の有無
- 所得に応じた費用負担と月額総額
- 現在の介護度で入居できるか
- 介護度が上がったときの対応と退去条件
- 外部の介護サービスを自由に選べるか
- 待機人数と入居までの見込み
安いぶん、空きを待つこともある
軽費老人ホームは費用を抑えやすいため、地域や施設によっては満室で待機が必要です。申し込んだ順番だけで決まるとは限らず、本人の生活状況や緊急性などを含めて判断される場合もあります。
すぐに住み替えが必要な場合は、軽費老人ホームだけに絞らず、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、養護老人ホームなども並行して比較すると選択肢が広がります。
まとめ|「軽費老人ホーム」は施設全体の呼び名
軽費老人ホームにはA型・B型・ケアハウスがあり、現在の中心はケアハウスです。A型は食事提供あり、B型は原則自炊、ケアハウスは個室を中心に生活支援を受ける施設と整理すると分かりやすいでしょう。
名称だけで判断せず、食事、介護体制、費用、将来の退去条件まで確認し、本人の自立度や希望する暮らし方に合う施設を選びましょう。
参考情報
※入居条件、費用、待機状況、介護・医療対応は施設や自治体によって異なります。最新情報は各施設・自治体へご確認ください。
ほかの施設との違いをまとめて比べたい方は、「老人ホームの種類と違い|特養・有料老人ホーム・サ高住をやさしく比較」も参考にしてください。



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