介護療養型医療施設とは?現在は廃止|介護医療院との違いを解説

介護療養型医療施設から介護医療院への移行を家族へ説明するクラッシュ 老人ホームの選び方

「介護療養型医療施設」や「介護療養病床」という名前を、古い資料や家族の入院経験から耳にすることがあります。しかし、介護療養型医療施設は2024年3月31日で廃止されており、現在は新たに入所先として選ぶことはできません。

その役割の受け皿の一つとして、2018年に「介護医療院」が創設されました。ただし、名前が変わっただけではなく、医療を提供しながら日常生活を送る「生活施設」としての役割が、より明確になっています。

この記事では、介護療養型医療施設がどのような施設だったのか、なぜ廃止されたのか、介護医療院や医療療養病床との違いを、老人ホーム紹介の現場に携わるクラッシュが解説します。

介護療養型医療施設とは?

介護療養型医療施設は、長期にわたる療養が必要な要介護者に対し、医学的管理のもとで看護、介護、機能訓練などを提供していた介護保険施設です。病院や診療所の療養病床のうち、介護保険を利用する病床が対象でした。

  • 慢性期で長期療養が必要
  • 日常的な医療管理と介護の両方が必要
  • 自宅や一般的な老人ホームでの生活が難しい

一般の病院に近い環境で療養する一方、介護保険施設として生活支援も受ける仕組みでした。

2024年3月31日で廃止

介護療養型医療施設は、制度見直しにより経過措置が設けられていましたが、その期限が2024年3月31日に到来して廃止されました。

現在、施設探しの場面で「介護療養型医療施設へ入りたい」と考えても、新規の選択肢として探すことはできません。長期的に医療と介護が必要な場合は、介護医療院、医療療養病床、特養、医療対応のある有料老人ホームなどを本人の状態に合わせて検討します。

介護医療院は「医療」と「暮らし」を支える施設

介護医療院は、長期療養が必要な要介護者に対し、療養上の管理、看護、医学的管理のもとでの介護、機能訓練、日常生活上の支援を一体的に提供する介護保険施設です。

厚生労働省は、介護医療院を単なる療養病床の移行先ではなく、「住まいと生活を医療が支える新たなモデル」として位置づけています。医療提供施設であると同時に、利用者が暮らす生活施設でもある点が大きな特徴です。

  • 長期療養のための医療・看護
  • 食事、入浴、排泄などの日常生活上の介護
  • 機能訓練やリハビリテーション
  • 看取り・ターミナルケア
  • プライバシーや生活の場としての環境への配慮

介護療養型医療施設・介護医療院・医療療養病床の違い

比較項目介護療養型医療施設介護医療院医療療養病床
現在の状況2024年3月31日で廃止現在利用できる現在も存在する
保険制度介護保険介護保険医療保険
主な役割長期療養の医療・介護長期療養の医療+生活医療必要度の高い方の入院療養
生活施設としての位置づけ病院的な性格が強い生活の場として明確に位置づけ医療機関・病床
利用の考え方新規利用不可要介護者が入所医師が入院の必要性を判断

廃止されたのは、介護保険が適用されていた「介護療養型医療施設」です。医療保険を利用する医療療養病床まで、すべてなくなったわけではありません。

介護医療院のⅠ型・Ⅱ型とは?

介護医療院には、利用者の状態や人員配置などに応じたⅠ型とⅡ型があります。

  • Ⅰ型:重篤な身体疾患がある方や、身体合併症を伴う認知症の方など、比較的医療必要度の高い方を想定
  • Ⅱ型:Ⅰ型より容体が比較的安定しているものの、長期療養と介護が必要な方を想定

ただし、Ⅰ型・Ⅱ型だけで個別の受け入れ可否が決まるわけではありません。たん吸引、経管栄養、酸素療法、褥瘡処置、認知症の症状など、本人の状態を具体的に伝えて確認します。

介護医療院に向いている人

  • 要介護認定を受け、長期的な療養が必要
  • 日常的な医学管理と介護の両方が必要
  • 病状は急性期を脱したものの、自宅生活が難しい
  • 看取りまで見据えた支援を希望している
  • 一般的な老人ホームでは医療対応が難しい

一方、積極的な治療や頻繁な検査が必要な場合は病院、在宅復帰に向けた集中的なリハビリが目的なら老健など、別の選択肢が合うことがあります。

入所先を検討するときの注意点

  1. 医療処置の対応範囲:処置内容と実施回数、夜間対応を確認する
  2. 病状変化への対応:協力医療機関や救急搬送の方針を確認する
  3. 看取りの方針:本人・家族の希望と施設の対応をすり合わせる
  4. 生活環境:居室のプライバシー、面会、持ち物、日中の過ごし方を見る
  5. 費用:介護保険自己負担だけでなく、居住費、食費、医療費、日用品を含める
  6. 待機と地域:希望地域の施設数と空き状況を早めに確認する

介護医療院以外の候補

必要な医療・介護、予算、入居時期によっては、次の施設も候補になります。

  • 医療療養病床
  • 特別養護老人ホーム
  • 医療対応のある介護付き有料老人ホーム
  • 訪問看護と連携する住宅型有料老人ホーム・サ高住
  • がん末期や難病などに対応するホスピス型住宅・ナーシングホーム

施設の名称だけで決めず、本人に必要な医療行為を24時間の中で誰が、いつ、どこまで対応できるかを確認しましょう。

現在の介護医療院については、「介護医療院とは?」の記事でも詳しく解説しています。

まとめ|旧制度名を見たら現在の選択肢へ読み替える

介護療養型医療施設は、医療と介護の両方を必要とする方の長期療養を支えてきましたが、2024年3月31日で廃止されました。

現在は、長期療養と生活を一体的に支える介護医療院などが候補になります。「介護療養病床」という古い情報を見かけたときは、現在の施設名と役割、保険制度を確認し、本人の医療・介護ニーズに合う入所先を比較しましょう。


参考情報

※入所条件、費用、医療処置の対応範囲は本人の状態や施設によって異なります。最新情報は自治体、担当ケアマネジャー、医療ソーシャルワーカー、各施設へご確認ください。

ほかの施設との違いをまとめて比べたい方は、「老人ホームの種類と違い|特養・有料老人ホーム・サ高住をやさしく比較」も参考にしてください。

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